お菓子がないと生きられないあなたへ
    喜田家&花畑洋菓子のお店ハルエ・グレースから 主人 田口恵美子がお届けします。
Vol12 キタヤ&ハルエグレースから「ちゅうりっぷ通信」

 みなさま、本年もとうとうあと数日となりました。お風邪ひいていらっしゃいませんか? 今年の風邪は、長引いて喉と鼻にくるタイプではありませんかァ? 私もインフルエンザの注射をしっかり打った時には、すでに風邪をひいたところでしたので、ダブル風邪をゲット! 治るのに30日程かかりました。どっちにしても、今回のは長いですし、まわりから順番に・・・・・お気を付け下さい。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【ニューヨークで思う】

 さて、今月は世界の中で孤立しようとしているブッシュさんの国「アメリカ」へ12/4〜12/9日の間、行ってまいりました。「ホワイト・クリスマス」という歌にでてくるアメリカのクリスマスの時期に、何かドキッとするものはないかナァ・・・と、もうニューヨークへは45回目という方に便乗参加したのですが、まぁテロにあわずに帰ってこられてほっとしました。
 が、すごかったです。『雪が!!!』。−6度、−10度は当たり前の国だったんです。アメリカ人は、ほんとたくましいです。空港が閉鎖になるほどの吹雪や雪でも、傘ささないんですね。「強いナァ」と思いました。ハリケーンとかある国なので、急な雪や突風が吹いたりするので、傘はむしろ危険なだけなんです。日本人の私は、風よけに「こりゃ傘は屏風がわりでいい」と傘をさしたのですが、させば人にぶつかり、風にひっぱられ、あげくにおひょこになりで、私もついに大雪の中を傘なしでフードで歩くことになるのでした。
 帰ってきて北国生まれの人にこの話をしたら、笑われてしまいました。「雪国では、雪が降っても傘なんかささないよー」って。「東京の雪のようにすぐ溶けないから濡れないし、傘さしていると、傘に雪が積もったり、吹雪で飛ばされたりするから危ないんだよ」だって。なんて世間知らずの私なんでしょう・・・。

 で−、なんでこの12月の忙しい時に、めずらしくもないニューヨークに行ってきたかですが・・・。私は、自分の感性を刺激するために、チャンスがあれば人に便乗するよう心がけているんです。よいひらめきが、ある日突然ヒントとして湧く、ただそのことのために努力して老体にムチ打ってということです。

 メーシーズなどのデパートのショーウインドーには、クリスマスがいっぱい。「風と共に去りぬ」の時代をイメージさせるミニチュア(馬車から下りるお父さんを玄関先で迎える小さな子供たちの風景)もクリスマスシーズンにあわせたものでした。とにかくウィンドーディスプレイは、暖かくて、優しくて、おしゃれで、きめ細かさが底流にあり、とてもロマンチックなものなのですが、「どうしてこんな楽しい感性で演出できるんだろう」・・・と。
 それはアメリカという国は、種々の人種のるつぼ故に、おもしろいユニークな発想が刺激しあって、単一民族の国よりも次々と生まれやすいエネルギーが流れている。ニューヨークに行けば「成功する」とか、自分の力をぶつければ受け入れてくれる包容力がある国ということなのかなぁ、と体感した次第です。

 黒人ジャズのメッカ“ブルーノート”に出かけてみましたが、こんなに静かにジャズを聴くのか・・・と。日本なら、ジャズクラブに入ってみると決まって古さんらしき人が「イエッィー」とか「ピーッ、ピッー」とか、ザワザワもあるときにはあったように覚えているんです。
 ブルーノートの本物のジャズマンは地味で、あまりトークはせず、リーダーはアフリカ人のドラマーで、今にも死にそうな風貌なのですが叩くとすごい。そんな本物のジャズの演奏に、聴衆もウェートレスも、「静か――に。静か――に。」上品で大変お行儀がよくて、なんだかとても感心したのでした。食べたり飲んだりは殆どなく、本当に真剣に聴いているのです。なんかすご〜いんだナァと。本当に静かに、ジャズが好きなのだと。私みたいに、ジャズが飾りで食べたり飲んだりしていては、ミュージシャンに失礼なのだと判りました。ハイ。
 又、ブロードウェイミュージカルは、日常生活のお楽しみレベルにあって、オフ・ブロードウェイミュージカルと2通りの楽しみ方があるそうです。チケットが1000円位だから、日本の女優さんが毎日・毎日1年間もブラブラして見まくっているという話をテレビで聞いたことがありましたが、オフ・ブロードウェイの方は少しランクはずれの演目なのだそうです。昔テレビのインタビューで歌手の前田びばりさんが「ブロードウェイのオーディションに受かりたいけど」というお話をしていて、それは主役をとれるとか、役をとれるかというサクセスストーリーをかたっていたのでしたが、なるほど、1人1人の役者さんが「1つのチャンスが次のステップ」という切磋琢磨の成功物語を生きているのだと感知しました。とにかく、いくらでもミュージカルにつかっていられることのできるのは、さすがニューヨーク ブロードウェイ通りのミュージカル通りという感じでした。

 世界の三大美術館(諸説いろいろあり、実は5つの美術館/博物館の名前があげられるそうです。ルーブル美術館、メトロポリタン美術館、プラド美術館、大英博物館、エルミタージュ美術館)のひとつメトロポリタン美術館は、1週間でも見たりないほどの収蔵ぶりなのですが、そこになんと当たり前のように5歳位の子供たちが幼稚園の先生とベタッと床に座り込んで、ゴッホの絵の前であれこれやっているんですねェ。次にそのところを通った時には、各々スケッチブックに色鉛筆で書いていました。フームッ!。こうやって個性を育てる、自由に育てる・・・のかァ−。その結果が、その後に見た今グランド・ゼロとなっている2本の貿易センタービルの跡地。2年を経た今、人々は団結して一つの心でまとまって立ち直る力強さが感じられます。隣に立てられたメモリアル慰霊センターでは、賛美歌を捧げる普通の人々がいました。クリスマス・リースで祈り、又アメリカの国旗で祈り、二度と起こしたくないこのことを、じっと心に捉えてひたむきに生きるアメリカ人の姿を見ることがあったのでした。
 日本と何かが違う。一つの事に全体でまとまって何かしようとする力がみえました。教育の底力が違うことを。貿易センターで最愛の人々を失った出来事に悲しみを大きく感じ、国としてイラクを標的にまとめようとしたが、結果うまくいかず、戦況はますます悪化するばかりの中、今頃になって真珠湾のことを持ち出したりして世論の反対を封じようとするアメリカですが・・・。評論家みたいになってきてしまいました。ちっと知識が入ったばかりに・・・。
 実は、14時間飛行する間に普段できない事をしようと・・・。それは、本を読むことなんです、私の場合。買ったこともない3cm程の厚さの小説を1冊、エッセイを2冊。そして、とうとう3〜4頁しか読めなかった苦手の「中央公論」。ホテルの1泊目は、夜中に起きて「全部読むぞ――」と1時間。まっ、その後はそれきりに・・・。判らないときは、目をもどして赤ペン引いて理解できるよう読んで、何となく今の国の問題がわかったことがやっと少し・・・。
 というわけで、ちょっと国外へ出て他国と日本を比較して、経済も人もどんよりとした日本をこれから良くするには、やはり若い世代の人々にグローバルに、しかも人間教育、思いやり教育を、誰がリーダーしていくのか、など難しい問題ではありますけれども、日本の国を支えていくのに、後世の人々の教育に私たち大人が何かを叫びはじめないといけないのでしょうね―。
 勿論、そういう危機感をちゃんと感じている心ある方は(そういう類の本も最近知りましたが、「致知」という本もそういう一つだそうで)、見識を持ってきちんと考えて、会社運営や教育を実行に移されている人々はいらっしゃるようです。
 今回も又、徒然とこんな事書いてしまい、大変申し訳なくお許し下さい。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 今年は、世の中のスピードにキタヤ&ハルエグレースもあわせようと、私の鈍い感性を研ぐため、広州、ハワイ、プロヴァンス、ニューヨークと地球を横に行っている間に1年が経ち、皆様にどこまでキタヤ&ハルエグレースをお伝えできたか、文章貧弱で大変申し訳ありません。
 来年も又、あなたさまに喜んでいただけるキタヤ&ハルエグレースお仲間新聞を出していきたく存じますので、引き続きお見通し下さいますよう浅学非才な凡人、頭を下げてお願い申し上げます。

 本年1年間お読み頂きまして、誠に有難く存じます。あなた様にとりまして、2004年ハッピーな年がやってきますよう、心からお祈りいたしております。



- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -




             「私流 お茶事の楽しみ方」

 お茶事が楽しいと思うのは、人々のふれあいを、いかに楽しく、一生懸命創造していくことかと思います。
 大人になってから、ある一日をゆっくりと手間ひまかけた、心尽くしの亭主の心使い、しつろい、お料理、そしてお菓子etc・・・・、初めてお会いする方、親しい方など、その時間・空間を共通できる幸せなひとときを過ごす一期一会のお茶事の楽しみです。
 そして、東洋の島国、四季豊かな日本で生まれたお茶の文化(お茶事)と、西洋の島国、紅茶文化のイギリスで生まれたスポーツ(ゴルフ)。この二つの共通点は、私の住んでいる地方ではとても親しまれている社交文化です。
 ゴルフは、四人のパーティーで、アウト・イン18ホールを、山あり谷ありの広い芝生で、風向き、芝目、距離を量りながら、自然と向き合い進んでいく。
 お茶事は、亭主と客のやりとりの中、初席、後席と、自然光の部屋の日ざしの中で、旬の味わい、時の花、季節お道具などを、その日の季節の匂い、風の音、雨の音も交えて、初席、後席と進めていく。
 この二つの共通点は、ひと通りのルールに従って、お互いの人格を尊重しながら、初めての出会い、おもいがけない発見の数々、そしてとても大切な自分探しの時間があることです。歴史ある温暖で肥沃な土地で育まれたこの土地の旦那衆の社交文化が、今も根づいて、近くにたくさんゴルフ場があり、お茶事もさかんで、一般に親しまれているからこそ、花開いた現代の伝統文化だと思います。
 伝統文化は、いいものだけど、そのままじゃダメ。出来た時は、その時代背景でよくても、今の時代に合うようにしなければ埋もれてしまいます。お茶事のお菓子も、ちょっとお砂糖の分量を変えたり、色もやさしく、クリスマスのお茶事にはサンタクロースや、雪だるまなどにして・・・。そうして工夫が、生き生きと重厚な美しさを増してよみがえります。
 毎年、毎年 ホコリを払って、カビを取って「日々好丹精」に、磨き、そして皆に愛されるお菓子達。今年も、そろそろ柚子の香りの練り菓子とお抹茶をいただき、終わりにします。
                          <はんなり朝子の師走記>




           <永井君代の十二月の茶事茶会>

 口切の茶の時季が過ぎ、十二月の冬至から二月の立春のころまでの厳冬の時季は、「夜咄(よばなし)」の茶事が行われます。又、「納会」といって今年無事茶事を納めるということで、稽古納めと言われる茶事もあります。
 拙宅 雙樹庵の十二月の茶事は、「クリスマス茶会」ということで楽しみます。伝統と新しいお茶の世界をどうコーディネイトしたらと思い悩むことも楽しみとともにあります。


  <小間>
     掛軸   無事
     濃茶
     菓子   銘「初雪」
     お花   椿、ろう梅


  <広間>クリスマスバージョン
     掛軸   お花のリース(お花と兼ねる)
     薄茶
     菓子   ドイツの菓子(クリスマスに使う)シュトーレン
     茶道具  釜(十字釜)・・・十字架をイメージした釜です。
     炉縁・・・・トナカイをあしらったもの
     水指・・・・ステンドグラス
     ふた置・・ステンドグラス
     棗(なつめ)・・・ひいらぎ模様
     茶碗・・・・クリスマスの様々な絵の入ったもの


  <懐石>
     クリスマスにちなんで器に気を配ります。
       (例) ワイングラスとディキャンター(自作)
       (例) 自作の器(クリスマスの皿)


 ほんとうに楽しくなる様な茶会をしたいと自分なりに考え楽しみたいと思います。
 まだまだお茶も入口ですので、これからも精進に励みたいとと思います。








- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - - - 
 では、皆様良いお年をお迎え下さい。
平成15年12月1日号
元気で生きる田口 恵美子より

Copyright(C)2008-2010 喜田家All Rights Reserved.