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平成23年9月(長月)のおついたち―『黄菊白菊其他の名はなくもがな』

毎月1日とその前日限り、店頭にて販売

黄菊白菊其他の名はなくもがな
その他の花に名前など無くてもよいほどに黄菊と白菊がみごとであることよ 服部 嵐雪

九月、もう今年も秋がまいりました。秋と言えば「芸術の秋」と言われるように、世界にひけをとらない日本独特の芸術、芸能、技術と、守っていくべき文化がありますが、ちょうどテレビでみました「伝統芸能の若き獅子たち 市川亀治郎 突っ走る歌舞伎の“異端児”」(再放送のようですが) 歌舞伎界の中でも異彩を放つ澤瀉屋(おもだかや)の家芸を受け継ぐ亀治郎さんの生き方と仕事ぶりに感動してしまったお話から。
女方として若手トップの評判をほしいままにする一方で、ドラマや映画、現代劇などでさまざまな役を演じて、底知れない芸域の広さと存在感をみせている、市川亀治郎さん。病床に倒れ活動を休止している伯父・市川猿之助氏からのメッセージは「教えるとは共に未来を語ること。学ぶとはしっかり身につけること」。「傾(かぶ)く」とは批判と反骨を表すそうです。派手な格好や変わった振る舞いも表します。「カブく者」から「歌舞伎もの」として、江戸時代に発展していったそうですが、猿之助さんのスーパー歌舞伎など、常に時代に歌舞伎を順応させていく澤瀉屋の反骨精神と、若き担い手、市川亀次郎さんのエネルギッシュで謙虚で高いコミュニケーション能力と向上心に、大変魅力的な日本文化伝承者だとすっかり感動してしまいました。海老蔵と並ぶイケメンの美男子で、彼の日常を映す楽屋や稽古場での当たり前に身につける着物姿はしっくり、ぴったりで、また、豪華な舞台衣装は艶やかで、ドキュメンタリー番組の説明付であった為もあるのでしょうか。日本伝統芸能をこの人たちが立派に受け継いで、ここに日本文化の衣装の歴史が受け継がれ昔からのそういう文化、芸能の伝承の結果として今の日本のならわしがあり、現代のスタイルがあり、今のお菓子の姿があるのだと感嘆しつつ学びとしました。
王朝の貴族たちも衣の裾や袂(たもと)からちらりとのぞく裂(きれ)の色にとても気を配り、やがて、この季節にはこう、この儀式にはこうと、袷(あわせ)の表と裏、重ね着の外と内の配色に決まりができ、これが襲(かさね)の色目となりました。襲の色目には、たいてい草花の名がついていて、たとえば春なら梅、柳、桜、山吹、夏なら卯の花、百合、菖蒲、薔薇。どれも二つの色がよく照り映えるように組み合わされていて、今の時代の服や室内の配色の基礎になっています。秋は萩、朝顔、紅葉、そして菊。菊の中にも白菊、移ろい菊、つぼみ菊、残り菊などいくつかの色目があり、白菊は表は白、裏は萌黄。残り菊は表は黄、裏は白。残り菊の裏を白にしたのは、表の黄をさびさびとみせるためでしょうか。
今月のおついたちは「菊衣」と題して京都から取り寄せた菊柄の箱に、技を凝らした和菓子をお詰めしました。
野菊、虫の音、桔梗、こぼれ萩、着せ綿、まさり草、蜻蛉、銀杏、すすき。ぎっしりとつまった色とりどりの秋の景色をおたのしみください。
九月十二日は中秋の名月でございます。晴れのお月見ができますように!

元気で生きる 主人 田口 恵美子
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