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平成25年6月(水無月)のおついたち ~ ならの小川 ~

毎月1日とその前日限り、店頭にて販売

かぜそよぐ ならのおがわの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
風そよぐ 楢の小川の 夕暮れは 禊ぞ夏の しるしなりける 従二位家隆(藤原家隆)

 旧暦六月一日は「氷の節句」です。室町時代、宮中では、氷室から取り寄せた氷を6月1日に食べるという行事が行われていました。この日に氷を口にすることでその年の夏を健康に過ごせると伝えられていたためです。しかし当時、氷は大変貴重なものだったため、庶民は口にすることができませんでした。そこで庶民の間では、氷に見立てた餅や飴が食べられていました。お店にも「水無月」が並んでいます。氷をかたどった三角形のういろう生地に厄払いの小豆をのせた六月の代表菓です。「氷」ということば一つで涼を感じ取ることのできる日本人の感性とは何と細やかなのでしょう。
 
 梅雨の気配が近づき、夏至もすぎ、六月の晦日には「夏越しの祓え(なごしのはらえ)」が各所の神社で行われます。ちょうど一年の半分が過ぎ、折り返しを迎えるにあたり、茅の輪をくぐり、人形に息を吹きかけて自らの罪や穢れを人形に移し、川へ流して禊をするのです。
上の歌もこの様子を詠ったものと言われます。

歌の内容は、「風が楢の葉をそよがせている。小川の夕暮れはすっかり秋の気配であるが、皆が川に入って六月祓(ばらい)の禊(みそぎ)をしている様子ばかりがまだ夏である証なのだなあ」ということです。六月の禊は無事に夏を乗り越えた安堵と感謝も含まれていたのですね。 しかし現代の我われにとっては、年々の酷暑を乗り切る準備の儀式となりました。茅の輪くぐりに行き、水無月のお菓子をいただくと、「今年の夏も元気にがんばろう!」という気持ちになります。
 
 今月のおついたちは、「氷の節句」にちなんで、「氷室」というお菓子を水まんじゅうでお作りしてみました。中あんは柚の風味でさっぱりと、頂点に見える三角形の赤い羊羹は氷室の神様を表しています。
続いてお作りしたのが「夏至餅」です。白あんの雪平餅に芥子の実をまぶした、ぷちぷちと香ばしい餅菓子ですが、「護摩餅、鏡餅、華餅、牡丹餅~」と約50種類の餅がうたわれる唐招提寺の餅談義の中程にも「よろづの罪を消し餅~~~」と登場する伝統の餅菓子です。「夏至」と「芥子」と「消し」をかけた、だじゃれで始まったともいわれますが、これにあやかって、夏至の日にこの餅を食べて一年の前半の厄災を消し去るのだといわれています。梅雨といえば梅の実が黄色く色づき始める頃ですが、色づく前の「青梅」をういろうでおつくりしました。中は黄味あんで、外郎にさわやかな青梅の風味をつけました。ひと雨ごとに穂を伸ばす稲穂、街の中では見られなくなってしまった田んぼの情景を「早苗」と名づけ、青芽を生やしたきんとんでおつくりしました。そして雨の似合う「紫陽花」は、雪平に四弁をイメージした錦玉寒を散りばめて。まもなく花終いとなる「牡丹」も、練り切りでおつくりしました。初夏から夏へのうつろいをどうぞお楽しみ下さい。
 
 今年もしょうぶ沼まつりへまいります。しょうぶ沼でお会いしましょうね!

元気で生きる 主人 田口 恵美子
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