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平成29年9月(長月)のおついたち 「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりなり」

毎月1日とその前日限り、店頭にて販売

「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりなり」 『若山牧水』

   日中夏の光を残しながらも朝夕の空気には秋の気配が薫る9月移りゆく季節の情緒を湛えた儚げな秋桜の花が見頃を迎えます。 九月九日は重陽の節句。五節句のひとつで、旧暦では菊が咲く季節であることから「菊の節句」とも呼ばれます。中国では、奇数は縁起のよい陽の数とされ、一番大きな陽の数である九が重なる9月9日を、「重陽」として節句のひとつとしてきました。これが日本に伝わり、平安時代には「重陽の節会(ちょうようのせちえ)」として宮中の行事となり、江戸時代には武家の祝日に。詩を詠んだり菊花酒を飲んだりしてけがれを祓い長寿を願いました。 九月十八日には、同じく長寿を祝う「敬老の日」がありますが、敬老の日は実は戦後に制定されたものだそうです。〔老人を大切にし、お年寄りの知恵を借りて村づくりをしよう〕という趣旨の「としよりの日」が全国に広まって、「老人の日」となり、〔多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を願う〕という意義が加えられ、「敬老の日」となったそうです。 わたくしとて七十歳をこえても、まだまだ年寄り扱いは避けたいものですが、孫からお祝いをされるとやはり嬉しくはあるものです。  和菓子には古くから受け継いでこられた伝統の製法や形があり、その一つひとつに意味があります。    和菓子に限らず、「和柄」と呼ばれるものには、それぞれの文様の意味が込められています。そこで、肌触りがなめらかで私のお気に入りの印傳革によく使われる文様についても調べてみました。(印傳とはなめした鹿革に染色し漆で模様を描いたもの) 【勝ち虫】秋津虫のトンボは俊敏で力強く前にしか進まず決して後ろに下がらないことから「不退転」の精神を表わす縁起物として、特に武士に好まれました。 【七宝】七宝を構成する無限に繋がる円形は、円満や財産、子孫繁栄などの意味が込められた吉祥文様として用いられました。 【青海波】波を扇状の形に描き表す幾何学模様で、どこまでも広がる大海原に絶えず繰り返される穏やかな波のように、平穏な暮らしがいつまでも続くようにという願いを込めた吉祥文様です。「四海波静か」という言葉に連想された目出度い文様として用いられました。 【麻の葉】麻の葉は成長が早く、すくすくと真っ直ぐに成長していくため、子供の健やかな成長の願いが込められています。またこの柄には魔除けの意味があり、昔から産着の柄として用いられてきました。 財布や巾着など身に着けるものが多いからこそ、いにしえよりの文様には切なる願いが込められているのですね。  今月のおついたちは、日本の伝統文様と秋の草花を詰め合わせました。 「赤蜻蛉(あかとんぼ)」は浮島製、「青海波(せいかいは)」は雪平製に波模様を、「麻(あさ)の葉(は)」は常用饅頭に麻の葉の文様を描きました。重陽の節句の「着(き)せ綿(わた)」は白あんを包んだ練切製、秋の花「秋桜(コスモス)」はこしあんを包んだ練切製でおつくりしました。  風に秋の涼しさを感じられる頃、たくさん歩いていつまでもお元気に過ごされますように!  元気で生きる 主人 田口 恵美子

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